松浪光倫建築計画室


小野原の住宅  

所在地 大阪府箕面市
竣工 2011.04
敷地面積 166.06㎡
延床面積 114.52㎡

壁で囲ってプライバシーを守りながら、緑豊かな中庭が開放感をもたらし、明るい光が部屋を満たす。コートハウスは密集した住宅地で、リゾートにいるようなリラックス感を味わうことができる、贅沢な空間。

一枚の長い紙で住居部分を包むようなイメージで全体を形作りました。そのうえで、外壁の上部を斜めにカットするなど、不要な部分はすっきりと切り取り、家全体に光をめぐらせ、隣家への圧迫感も和らげています。そして、家族が集まるリビングとダイニングは、内壁を取り払い、外壁と外壁で作り出した中庭に向かって大きく開け、外と中との境界線をなくし、家の中に庭があるような、庭がまるで家のような、オープンな空間に仕上げました。外壁は単色のセメント板で統一することで、さらなる広がりと開放感を生み出し、どこまでも縁側が続くような楽しさ、心地よさを演出しています。一般的な住宅では得難い、コートハウスだからこその醍醐味です。

一方、外観のルーバーやデッキには天然木を用い、家の表情を作り出しました。時と共に変わりゆく色が、やがては暮らしの積み重ねを表す味わいとなり、愛着へつながっていきます。
この家に暮らしはじめて、小学生の息子さんはごはんをよく食べるようになったそうです。「ダイニングと庭との一体感があるので、キャンプに来ているような気分なのかもしれませんね」とご主人。夏はデッキにプールを出してのびのび遊んで。コートハウスの良さを日々実感されています。